第137章 逆手にとる

宮本陽叶は福田祐衣の手を引いて車に乗り込ませた。

車は通りの向かい側に停められ、そこからはビルの出口が手に取るように見渡せた。

福田祐衣の胸中には疑問が渦巻いていたが、彼女はあえて何も尋ねなかった。

三十分ほど経過した頃、ビルの出口に見覚えのある人影が現れた。

あの大原社長だ。

彼は足早に車に乗り込み、そのまま走り去った。宮本陽叶は冷ややかに命じる。

「追ってくれ」

運転手は即座に車を発進させ、付かず離れずの距離を保ってその車を追跡する。

やがて、前の車は近所のレストランの前で停車した。

大原社長が下車して店に入り、そこからさらに十分ほど経っただろうか。二人の視界に、予想だ...

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